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微生物を用いた水環境保全技術の開発

宇部工業高等専門学校物質工学科 准教授 野本 直樹 研究者の紹介 >

◆スポンジ担体を用いる排水処理技術です。安価で、技術運用が容易な点が特徴です。

 

 

技術の概要

水資源、水環境の保全は、公害問題から始まり、今では持続可能な開発目標(SDGs)で掲げられる世界的な課題として認識されています。この課題の解決のために、排水処理は大きな役割を果たします。一方で、排水処理は、電力、余剰汚泥の廃棄、維持管理等に多大な費用や技術を要します。

今回示す技術は、この様な負荷を軽減し、商業廃水および開発途上国などの資金に乏しい地域にも適用できる排水処理技術です。

 

 

 

技術の特徴

本技術(DHS (down-flow hanging sponge)法)は散水ろ床法の一種であり、スポンジを担体として用います。スポンジ担体を用いることで、曝気が不要、余剰汚泥が少量等、維持管理費が安価であり、技術的にも運転管理が容易な排水処理技術となっています。

 

 

技術の優位性

本技術は、一般的な排水処理が抱える電力、余剰汚泥の廃棄、維持管理等の多大な費用・技術の問題を解決します。本技術の消費電力ならびに余剰汚泥発生量は、活性汚泥法と比べて5~10分の1、4~10分の1であり共に優れています。また、高濃度の有機物を含む排水で有効な嫌気的排水処理方式と、本DHS法を組み合わせることで、各種産業排水処理における有機物除去も可能となります。

 

 

関連論文

1. 大久保ら, 2008, 土木学会論文集G
2. 野本ら, 水環境学会, 2017
3. Nomoto et al., applied microbiology biotechnology, 2018

 

外部資金事業 (一部記載)

1. 公益財団法人八洲環境技術振興財団
 「持続可能な超省エネ型油含有排水および廃棄物同時処理システムの開発」
2. 科研費 研究活動スタート支援
 「開発途上国におけるDHSリアクターの機能障害の原因究明」