◆デバイス開発を指向した、材料表面や界面の電子状態・構造からの物性評価技術です。
技術の概要
家電製品における高速動作や記憶容量の大規模化に伴い、デバイス分野では急激に小型化・集積化が進んでいます。また、従来の基板材料であるシリコン(Si)に代わる新材料の開拓が求められています。
今回我々が示すのは、新素材や材料加工技術の開拓に資する、ナノメートルスケールでの材料表面・界面の分析技術です。
技術の特徴
本技術は、パワーデバイス材料として炭化ケイ素(SiC)、エネルギー貯蔵デバイス材料としてグラフェンやイオン液体、センサ材料としてフタロシアニンを対象とし、最表面の電子状態や構造から物性を評価しています。準安定原子誘起電子分光法等を用いることで最表面の電子状態抽出が、低速電子線回折法等を用いることで最表面の結晶構造観察が可能になっています。材料評価については、電子状態や構造を分析できる多数の装置を使用できることから、技術的な協力ができる段階です。
技術の優位性
我々の準安定原子誘起電子分光法は、最表面層の電子状態を観察できます。電子状態に関するナノメートルスケールの局所的な情報を得るため、新素材や材料加工技術の開拓に大きく貢献することが期待されます。本技術で得られた情報に基づいて、原子や分子の配列や配向を制御することで、次世代ナノデバイス開発に貢献することができます。
外部資金事業 (一部記載)
1. 科研費 基盤研究(C)
「グラフェン/SiC表面及び界面におけるイオン液体分子の挙動制御技術の開拓」