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2方向X線血管造影像から再構築した冠動脈の立体画像表示

山口大学医学部大学院医学系研究科 器官病態内科学講座 准教授 岡村 誉之 研究者の紹介 >

◆多方向から撮像したX線血管造影像から、冠動脈の立体画像を再構築し、表示する技術です。

 

 

技術の概要

心臓は、栄養血管である冠動脈の異常により狭心症や心筋梗塞を発症します。その診断はX線血管造影を用いた冠動脈造影検査によって実施されます。長期予後の改善や再発予防には、患者自身が冠動脈の状態や治療内容を理解し、長期にわたって薬物治療を継続することが重要となります。

今回示す立体画像表示技術は、再構築した冠動脈の視覚的な情報を与えることで、患者が自身の状況や治療内容への理解を深めることに貢献します。また、長期予後の改善や再発予防に向けた患者教育にも貢献する有用な技術であると期待されます。

 

 

技術の特徴

本技術は、多方向から撮像した血管造影像から、心臓の血管を立体的に再構築し、AR技術などを用いて冠動脈を立体的に表示します。その画像上に光干渉断層法で所得した血管の連続断面画像から得られた病変の正常を重ね合わせます。それにより、患者に対し、冠動脈の状態や治療内容に関する分かりやすい説明を提供します。

 

 

技術の優位性

従来の冠動脈造影画像は平面への投射像であり、患者本人が複雑な血管の状態を理解することが困難です。本技術は、冠動脈を立体的に表示できるため、平面的な表示による課題を克服すると考えています。

 

 

外部資金事業 (一部記載)

1. 科研費 基盤研究費(C)
 「光干渉断層法の3次元再構成画像を用いた新たなステント留置後評価法の確立」
2. 科研費 基盤研究費(C)
 「3D光干渉断層法を用いた冠動脈分岐部ステント治療の問題解明と新たな治療器具の開発」
3. 科研費 基盤研究費(C)
 「3D光干渉断層法と数値流体力学を用いた冠動脈側枝狭窄の予測と専用ステントの開発」
4. 医学部附属病院トランスレーショナルリサーチ推進助成金
 「人工知能を用いた光干渉断層法画像の組織性状診断と冠動脈疾患の予後予測」